「母様、私、―――ダリ王子には、仕えたくない」
口をポカンと開けた母様を見て、私はきっぱりと言い放った。
・・・変な顔。
だなんて思っている間に、母様の間抜け顔はみるみるうちに赤くなっていた。
「こ、こらっ!ああ何言って、すいませんすいません、
ほら!あんたも頭下げなさい!」
必死で笑いを堪える私の頭を下げようと、母様はすごい力で頭を押さえてくる。
だが、こっちだって、そう簡単に頭は下げられない。
そうこうしているうちに、王子の隣に居た猫背のお爺さんが、大声で怒鳴った。
「・・・ええい!もういい!
王子、こんな無礼者、今すぐ―――」
「よし、採用」
そして、そんな中、予想外の台詞を吐いたのは、かの王子だった。
「お、王子・・・正気ですか、こんな失礼な奴を!
それに、本人が拒否してるんですよ!?」
「うん、それくらい話聞いてたら分かるよ。
要するに、私の何かが気に食わなかったんだろう。
だったら私がそれを直すまでだ」
「でも―――」
「しつこい奴だな。だったらお前の首も一緒にちょん切るぞ?」
真剣に、でもどこか楽しげに、王子は言う。
ちょん切るという言葉のせいか、”猫背”は口をもごもごと鳴らしてから、やがて黙った。
「・・・分かりました。
ではパンパさん、宜しくお願いします」
そう言って、顔をしかめながら、でも言葉だけは丁寧にお辞儀をした。
だから、そういうのが気に食わないんだって。
「申し訳ございません。お断りさせていただきます」
「王子があそこまで言っておられるんですよ!
またそんな好意を踏みにじるようなことを!」
「だから言ったじゃないですか。
先ほどのやり取りで『仕えられない』と感じたんですよ」
「貴様!さっきから失礼だとは思わんのか!
相手は王子だぞ!身をわきまえろ!」
「お前こそ失礼だぞ、爺。
いいよ、後は私がやるから」
王子が猫背を制止すると、猫背は再び口を結んで、それから3歩、後ろへ下がった。
「1週間でもいいんだ、しばらく私のところに居てくれないか?
―――頼む」
そう言って、ぺこり。
王子は、私に頭を下げた。
・・・なんで、
「なんで、私なんですか?」
不思議でならない。
何を。何を考えているんだ、この人は。
「理由を聞かせていただきましょう。
話は、それからでも遅くはないはずです」
私がそう言い切ると、王子は急に笑顔を取り戻し、そして、言った。
「勘だ」
は?
「勘、って、何をいきなり・・・」
「勘は勘だよ、そのままの意味さ。
私はこれでも人を見る目があると自負しているんだ。
さっき君を見たとき、私の・・・」
と、そこまで言って、王子は急に黙り込んだ。
目を下に伏せながら頭をぽりぽり掻いて、変にもじもじしている。
「・・・やっぱり、いい。訳は後々追って話すよ。
とにかく、私の側に居てくれるだけでもいいから」
何故、そんなに私に執着するのだろうか?
私より管理業に優れている人なんて、山ほどいるのに。
「お願いだ」
ああ、もう。
分かったから、そんなに頼み込まないで。
「私の」
「分かりました」
王子の言葉を遮って私がそう言うと、母様も猫背もこちらを驚いたように見つめる。
王子はしばらく口をポカンと空けていたが、やがて、その顔に笑顔が咲いた。
・・・だから、その顔はやめてくれ。
「ただし、一週間です。
それ以降の継続は一切認めません。宜しいですね?」
「もちろんだ!」
猫背の必死の制止も振り切って、王子は笑顔で答えた。
久々に投稿。
まだ続いちゃうんです。
それに、本人が拒否してるんですよ!?」
「うん、それくらい話聞いてたら分かるよ。
要するに、私の何かが気に食わなかったんだろう。
だったら私がそれを直すまでだ」
「でも―――」
「しつこい奴だな。だったらお前の首も一緒にちょん切るぞ?」
真剣に、でもどこか楽しげに、王子は言う。
ちょん切るという言葉のせいか、”猫背”は口をもごもごと鳴らしてから、やがて黙った。
「・・・分かりました。
ではパンパさん、宜しくお願いします」
そう言って、顔をしかめながら、でも言葉だけは丁寧にお辞儀をした。
だから、そういうのが気に食わないんだって。
「申し訳ございません。お断りさせていただきます」
「王子があそこまで言っておられるんですよ!
またそんな好意を踏みにじるようなことを!」
「だから言ったじゃないですか。
先ほどのやり取りで『仕えられない』と感じたんですよ」
「貴様!さっきから失礼だとは思わんのか!
相手は王子だぞ!身をわきまえろ!」
「お前こそ失礼だぞ、爺。
いいよ、後は私がやるから」
王子が猫背を制止すると、猫背は再び口を結んで、それから3歩、後ろへ下がった。
「1週間でもいいんだ、しばらく私のところに居てくれないか?
―――頼む」
そう言って、ぺこり。
王子は、私に頭を下げた。
・・・なんで、
「なんで、私なんですか?」
不思議でならない。
何を。何を考えているんだ、この人は。
「理由を聞かせていただきましょう。
話は、それからでも遅くはないはずです」
私がそう言い切ると、王子は急に笑顔を取り戻し、そして、言った。
「勘だ」
は?
「勘、って、何をいきなり・・・」
「勘は勘だよ、そのままの意味さ。
私はこれでも人を見る目があると自負しているんだ。
さっき君を見たとき、私の・・・」
と、そこまで言って、王子は急に黙り込んだ。
目を下に伏せながら頭をぽりぽり掻いて、変にもじもじしている。
「・・・やっぱり、いい。訳は後々追って話すよ。
とにかく、私の側に居てくれるだけでもいいから」
何故、そんなに私に執着するのだろうか?
私より管理業に優れている人なんて、山ほどいるのに。
「お願いだ」
ああ、もう。
分かったから、そんなに頼み込まないで。
「私の」
「分かりました」
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王子はしばらく口をポカンと空けていたが、やがて、その顔に笑顔が咲いた。
・・・だから、その顔はやめてくれ。
「ただし、一週間です。
それ以降の継続は一切認めません。宜しいですね?」
「もちろんだ!」
猫背の必死の制止も振り切って、王子は笑顔で答えた。
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まだ続いちゃうんです。
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果たして彼の勘は当たったのか。
…未だに謎です。