そして、それから五日が経った。
「パーンパっ!英会話の授業、終わったぞ!
早くやろう!」
「またですか?
それに王子、後五分後には生物の授業が・・・」
「五分あったら一回できる!
いいじゃないか、ちょっとくらい休憩したって」
「・・・・・・分かりました、一回だけですからね」
遅刻したら宿題増やしてもらいますよ。
私がそう言うと、分かってるって、と王子が急かす。
これが、いつも通りになりつつある日常。
「いーち、にーい、さーん・・・」
さて、今日はどこに隠れようか。
私たちが今やっているのは、見ての通り”かくれんぼ”だ。
私が王子の側近職についたあの日、王子は言ったのだ。
「遊ぼう」と。
「一人でずっと暇だったんだ。何かいい遊びを知らないか?」
「遊びですか?・・・お手玉なんて、手軽にできていいと思いますけど」
「お手玉は随分前にもうやったよ。飽きた」
「じゃあ編み物は?」
「それは授業でやってる。だから、そんなのじゃなくて、もっとこう―――」
「もう知りませんよ。一人でかくれんぼでもしてたらどうなんですか」
「・・・・・・かくれんぼって、何だ?」
「は?」
かくれんぼなんて、子供はみんな知っているものだと思っていた。
そこで私が返答に詰まっていると、王子もしばらく黙り込み、やがて、思いついたように、
「ああ、もしかして、隠れん坊のことかい?それなら辞書で読んだことがある。
・・・そうだな、よし、パンパ、隠れん坊しよう!」
「へ!?いやちょっと待って下さ、」
「さあ早く隠れて!」
「何言って・・・まだ鬼も決めていないのに、出来るわけ―――」
「じゃあ私が鬼をやる!早く早く!」
「~~~ッ王子!鬼はこっち見ちゃいけないんですよ!」
「・・・・・・え?」
百聞は一見にしかず、とはよく言ったものだ。
そのときの光景は未だに覚えている。王子のきょとんとした顔。
思い出すだけで笑いそうになる。
「・・・ういいかい、もういいかいって聞いてるじゃないか!」
王子の叫び声が、回想に浸り始めた私の頭を呼び寄せた。
危ない危ない。今はそんなこと考えている場合じゃない。
「まあだだよ」
再び数を数え始めた王子の声を聞いてから、私は静かに動き始めた。
もう少しで終わるといいな。
さて、今日はどこに隠れようか。
私たちが今やっているのは、見ての通り”かくれんぼ”だ。
私が王子の側近職についたあの日、王子は言ったのだ。
「遊ぼう」と。
「一人でずっと暇だったんだ。何かいい遊びを知らないか?」
「遊びですか?・・・お手玉なんて、手軽にできていいと思いますけど」
「お手玉は随分前にもうやったよ。飽きた」
「じゃあ編み物は?」
「それは授業でやってる。だから、そんなのじゃなくて、もっとこう―――」
「もう知りませんよ。一人でかくれんぼでもしてたらどうなんですか」
「・・・・・・かくれんぼって、何だ?」
「は?」
かくれんぼなんて、子供はみんな知っているものだと思っていた。
そこで私が返答に詰まっていると、王子もしばらく黙り込み、やがて、思いついたように、
「ああ、もしかして、隠れん坊のことかい?それなら辞書で読んだことがある。
・・・そうだな、よし、パンパ、隠れん坊しよう!」
「へ!?いやちょっと待って下さ、」
「さあ早く隠れて!」
「何言って・・・まだ鬼も決めていないのに、出来るわけ―――」
「じゃあ私が鬼をやる!早く早く!」
「~~~ッ王子!鬼はこっち見ちゃいけないんですよ!」
「・・・・・・え?」
百聞は一見にしかず、とはよく言ったものだ。
そのときの光景は未だに覚えている。王子のきょとんとした顔。
思い出すだけで笑いそうになる。
「・・・ういいかい、もういいかいって聞いてるじゃないか!」
王子の叫び声が、回想に浸り始めた私の頭を呼び寄せた。
危ない危ない。今はそんなこと考えている場合じゃない。
「まあだだよ」
再び数を数え始めた王子の声を聞いてから、私は静かに動き始めた。
もう少しで終わるといいな。
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なんてこった
可愛いじゃないか!
子供っぽい事に無知な子、って可愛いねー(^ω^)