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2017/12/16 14:31 |
王子の失恋話





こんなこと、初めてなんだって。















「王子?」






がちゃり、と、鉄製の扉が開く音がしてから、パンパの声が聞こえた。



迎えに来てくれたのだろうか。でも今は、まだ戻りたくない。







「どうされたんですか?

 こんなところにずっといたら、風邪ひきますよ」







空を見上げれば、そこに真ん丸い月が見える。





ああ、もうこんな時間なのか。










「すまないパンパ、飯ならいらない」


「・・・王子・・・」











あの日から、既に2日が経っていた。













流石のパンパも、私の変わりように驚いているのだろうか。




私が振り返ると、パンパは、






「・・・久しぶりだな、そんな顔」








私の元に仕え始めたときのような、氷のように冷たい顔をしていた。









「そりゃあそうですよ。

 ”あの時”貴方が言ったんじゃないですか」


「ああ、・・・そうだったな」





私は、記憶の彼方に飛びかけていた、”あの時”の出来事を思い出した。



懐かしくて思わず顔がほころんだけど、その拍子に涙が零れそうだったから、また口を結ぶ。











「・・・何か、あったんですか?」


「―――失恋したよ!」





あはは、と、できるだけ明るく、大きく笑う。



そうでもしないと、涙の重さに押し潰されそうだったから。







「人生で初めての失恋さ!

 参ったよ!まさか私が振られるだなんてね!

 なのに、『また会いに来なさい』だなんて言うんだ!



 生殺しだよ、全く」


「・・・王子、無理してるでしょう?」


「結構ね」






もう、隠しても無駄だと思ったから、言ってやった。













こんなこと、初めてなんだ。



城で使った国語の教材にも、こんな心情、載ってなかった。











なあパンパ、私はどうすればいい?







―――息苦しくて、死にそうだ












「全く・・・いつまでもウジウジしているだなんて、貴方らしくもない。

 さっさと泣いて、さっさと会いに行ってきたらどうですか」









私の胸中を察したのか、それだけ言うと、パンパは再び城に戻っていった。
















「―――さあ、」








さっさと泣いて、あの子に会いに行こう。













・・・なんとなく手を仰いだら、蒼白い手と真白い月が、重なった。














本編ラストに入れる予定だった話。

・・・のため、少し短め。

まあ多少編集しましたけどね!



王子の失恋話。

エピローグで3日飛んだ理由話みたいな。

ただの王子の女々しい話みたいな。

表現がくさかったり、その他諸々全部王子だからで済ませる予定です。(



”あの時”の話はまたいずれか。

多分構想が一番しっかりしてる話です。あの時、のがね。
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2007/08/26 00:53 | Comments(2) | TrackBack(0) | ツンデレラ(番外編)

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コメント


あの時って、気になるな、もう。

伏線だけで終わったら、呪っちゃうもんね(・∀・)
posted by パディURLat 2007/08/28 02:52 [ コメントを修正する ]
>>ぱ
あはは、また機会があれば書きますよ。

機会があれば、ね。



・・・相当長くなりそうだけど。
posted by あげたまごURLat 2007/08/28 23:44 [ コメントを修正する ]

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