サイド/ツナ
それから、パンパさん・・・?だっけ。
まあスーツの人は、笑みを浮かべたまま、ダリ王子の下へ帰った。
そして、あの人が帰った後の二人は、まるで憑き物から解放されたみたいに脱力していた。
「あんた達・・・大丈夫なの?」
「いや、もう仕事に戻らんと・・・」
「そんなー!!せっかくラティと再戦出来ると思ったのに!」
「本当だよー!でもなあ・・・」
「ねえ、最後の一回だけ!!」
お願い!お願い!と手を合わせて懇願する和夫。
そんな和夫に困惑してるのか、ラティとミッチーは顔を見合わせていた。
「ねー和夫、あんま困らせない方がいいよ」
「そーそー。それに、あの人・・・」
怒らせたら、相当酷い事なりそうだし。
そう続けようとして、俺は言葉を引っ込めた。
そう話している間にも、二人の中では会議が行われていたらしく、その結果が出たようだった。
「・・・じゃ、最後の一回だけだよ」
第20話
「いっせーのーでっ、じゃーんけーんポン!!」
~再戦の行方 と 各々の想い~
「いっせーのーでっ、じゃーんけーんポン!!」
~再戦の行方 と 各々の想い~
結果は、和夫の惨敗だった。
和夫曰く「最後はグーでしょ!」とのことだったが、その思考も読まれたみたいだ。
たかがじゃんけんで・・・。
俺がそう言うと、和夫は「されどじゃんけんですー!ぷー」と、何とも腹ただしい返事を返してきた。
そして、じゃんけんも終え、俺たち三人は今、再びママの下へと帰ってきていた。
「あれー?ママ、ダリ王子とお付きの人は?」
「ん?ああ、なんだかプログラムの都合だとかで・・・」
「ふーん・・・ダリ王子、もう一回くらい会いたかったのにー」
ママの返事に不機嫌そうに答えるカチューン。
でもなあ、ダリ王子、鼻血噴いてたし・・・俺は無理だろうな・・・。
・・・あれ?血って言えば、ナスの話はもうなくなったのかな?
いやーよかったよかった!バレっとどうなってたか分かんねえし!
「うへっツーンデーレーラー!何でここ来てんの?」
「うっさい!べっ別に来たくて来たわけじゃッ―――」
「あーもー相変わらずだなあツンデレラは!
いいよいいよ、ほら、和夫に打ち明けてごらん?その心を!」
そう言い、誇らしげに胸を叩く和夫。
その顔は、自慢げに笑っている。
そんな和夫を見て「ふざけんなちびっこ!」と和夫を殴るツンデレラ。
その顔は、怒りなのか照れなのか、これ以上にないほど真っ赤になっていた。
・・・まあ俺は後者だと思うんだけど。
「ねーママ!ツンデレラ、寂しかったんだってー!」
「なっちょ、そんなこと一言も言ってないでしょ!?」
「あらあら、じゃあ別に誘拐されたとかそんなわけじゃないのね?」
「えッ・・・違う!違うから!」
「そんなことないでしょ?王子にハートさらわれちゃったもんねー!」
「ばっ馬鹿なこと言わないで!ってかくさい!台詞がくさい!!」
そんな様子を眺める俺。
・・・ちょっと待て、俺って確かこんなキャラじゃなかったよな?
こんなほのぼのした日常を静かに眺めるみんなのお母さんは、ママだけで充分だろ!
「すいまっせーん!!」
そんなことを一人で悶々と考えていると、後ろから誰かが話しかけてきた。
誰だこれ。
「はい、誰ですか」
あ、間違えた。
「ウチはねー!王子からこれ配ってって頼まれた、さぁゃちゃんでーっす!
ちょーっと君に渡してほしいものがあってさー!」
そう言うと、さぁゃさんとやらは、ビンゴカードを5枚渡してきた。
・・・・・・・・・・・・。
・・・意味が分かんねえ。
「あの、これ・・・」
「ああ、あそこの4人にも渡してねー」
いや、そうじゃないんだけどなあ・・・。
そうぼんやり思っていると、さぁゃさんは意味深な笑みでこう言った。
「パーティは、これがないと始まんないんだからね」
・・・・・・・・・・・・。
・・・やっぱり意味が分かんねえ。
他の人の元に行くさぁゃさんに目もくれないまま、俺はママ達の下へ戻った。
何でかツナ視点です。いや書きやすそうだったし。
書いてみたら案外難しかったんだけどうへー
それでもってさぁゃさん登場です。
多分もう登場しません。(←
20話達成おめでとう自分!
30話までには終わってほしいなあ。うん。
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さぁゃちゃんこれ以後ももっと出してよね!!