ここはどっかの国の警視庁・・・
警視庁捜査一課。
そこのオフィスの真ん中に、いつものように変な格好をして座っている人がいた。
・・・全身タイツのおっさんだ。
しかも、今回はあの黄色いタイツではなく、微妙にふさふさな小麦色をしたタイツだった。
そう、何を隠そうこのおっさんが警視庁捜査一課のトップ
さぁゃ警部なのだ。
それにしても今日は、あれ、今日もかな、とにかく騒がしい・・・
そう察したさぁゃは、ひょろひょろっとしたたまごのような丸顔の警官を呼び止め・・・ようとしたが、
今日はいつものようにオフィスにいない。
だが別に気を落とすわけでもなく、近くにいた女性に話しかける。
「なあ高見、何?この騒ぎ。」
「ん~?さあ?放っといたらいいじゃない。
・・・あ、警部ぅ、これあげる。」
そしてさぁゃは、白衣に眼鏡、寝癖頭の捜査一課科学班の一員
―――高見に、小包を渡された。
「トマト嫌いを直すための第一歩ってことで。
ナスの形したトマト。科学班の発明品だからぁ」
そうだ、署長室行きなよ、署長が呼んでたから。
さぁゃは高見にそう言われたので、仕方なく重たい腰を上げ、署長室へ向かった。
ゴンゴン、ゴゴゴゴゴゴゴン。
今日は某部下がいないため、遠慮なく、しかも両手で扉を叩く。
すると、「待ってこれ解いたら出るからぁ!」という、何とも幼い声が聞こえた。
そしてそれから数分後、落ち込んだ様子で、正真正銘の子供が出てきた。
この子が、警視庁トップのラティ署長だ。
「あ、さぁゃ警部。えへへ~、どうしたのぉ?」
「何って署長が呼んだんじゃないの。用がないならウチ帰るわ」
「待って思い出した!お願い放っていかないで!」
そのまま歩き出そうと背を向けたさぁゃを、ラティが泣きそうな声で呼び止める。
さぁゃは「何なのよぉ~」と、相変わらずのお姉言葉で応えた。
「はい、これあげるぅ」
そして、またしてもさぁゃの手元に、小包が渡された。
「お小遣いで買ったからかなり安物になっちゃったんだけど、
またボーナス出すから勘弁してねっ!」
そう言って、にやにやと笑みを浮かべるラティ。
・・・また何かもらっちゃったけど、一体何なのだろうか。
「てかこれ何よ?」
「ん~とね、ケチャップだよ!
ほら警部、前、トマト嫌い直すとかって、誰かに聞いたんだぁ」
またトマト製品かよ!
さぁゃは、嬉しさの反面、この二人がトマト嫌いの拍車をかけてるように思えてならなかった。
その後「ドリルやんなきゃいけないからぁ」と署長室を追い出されたさぁゃは、
行く当てもなかったので、もう一度オフィスに戻ろうとした。
すると、
「警部!!」
若い、そしてかっこいいと噂されている
―――Mr.捜査一課ことツナ警部補が、さぁゃの元にやって来た。
「お勤めご苦労様です!・・・て、ていうか、なんですか、その格好・・・」
ツナは怪訝そうな顔をしてさぁゃの格好を見た。
それはそう、今までの二人がたまたまスルーしていただけで、
さぁゃの小麦色の服にはソースがべったり。
その姿は、トンカツを思わせた。
「あぁ、ソースこぼしちゃったんだ!!」
今回は、その台詞に突っ込む人がいないため、ツナが苦笑いをするだけで済んだ。
「は、はぁ。それより警部。俺、警部に渡すものがあって・・・」
「えっ?!何々、アンタもなんかくれんの?」
「はい一応・・・あ、あれ、どこやったっけ・・・」
「警部ぅ~」
今度は、Ms.捜査一課の名を持つ程の超美人―――元やん刑事が走ってきた。
「あのですね、ウチとツナ、警部にプレゼントがありまして」
元やんがそう言うと、ツナが、
「前警部がタイツ汚してたんで、新しいの用意しました!
結構いい生地のなんで、また使えそうなときにでも使ってください」
「はい、これに入ってますから。」
そう元やんは言い、小さな紙袋を差し出した。
「なんかありがとね。それにしてもいろんな人から物もらうんだけど・・・
なんかウチしたっけ?どうしたん?」
さぁゃは二人に疑問をぶつけたが、
二人とも「さあ?」と不敵に笑うだけで、何も教えてはくれなかった。
そのまますることもないので、二人について行った先は。
尋問ルーム。
警部が一番鬼になる場所。
さぁゃがここに来たとき、何かあるだろうという予感がした。
そして、案の定、そこに―――ある事件の容疑者・和夫がいた。
「あはぁ~さぁゃ警部だ!もしかして和夫、もう出てっていいの?」
「馬鹿言うな、まだ全然疑い晴れてないじゃん。
っていうかアンタ、用もないのにここ来ちゃ駄目でしょ~」
さぁゃがふ抜けた様子で話すと、和夫がムッとした様子でさぁゃを見た。
「違うもん!和夫がここにいなくちゃ何も出来ないんだから!」
「はっ?何言ってんの?」
そう言い争っているうちに、さぁゃは空腹を覚えてきた。
・・・あ、そろそろ昼飯の時間かな。
「おい!堕次仔!!カツ丼2人前頼め。急げ。お腹すいたから。」
前にも言った覚えのある言葉を口にする。
だが、いつものようにドア付近に座って寝ている
堕次仔捜査官の返事は、いつもの答えじゃなかった。
「えぇ、さっき頼んだからいいでしょ?はぁ~・・・」
堕次仔が、実に面倒そうに伝えた。
「さっき頼んだ?ん?どういうことだそr
「あ、ほら、出前来たから」
さぁゃが発言し終える前に、堕次仔が出前の包みをさぁゃ
―――ではなく、和夫に渡した。
「あ!ちょっ!ウチが食いたいのに!」
「へへへ~、はいこれ、さぁゃ警部に。どうぞ。」
堕次仔から受け取った包みをさぁゃに渡すと、
尋問ルームの椅子から立ち上がる和夫。
一方のさぁゃは、何がなんだか分からないという風だった。
「ほら、天丼だよ。もしかして、寝っ転がれるご飯型ベッドの方がよかった?」
「ふざけんな。てゆーかカツ丼じゃないじゃん。」
「だって和夫、カツ丼嫌いだも~ん」
てろてろ~ん、と、その場で踊り狂う和夫を横目に、天丼を平らげるさぁゃ。
(早ッ!!)
その場にいるさぁゃ以外の全員が、空になったどんぶりを、丸い目で見つめていた。
「あ、そうだ警部、ウチも渡すものがあるんだった」
そう話を切り出したのは、堕次仔だった。
「ん?堕次仔も?何くれんの?」
「これ」
さぁゃの元に歩いてきた堕次仔が差し出していたのは、
―――本。いや、本というか、・・・なんというか・・・。
「あのね、この事件を元に作ってみたんだけど!
登場人物は和夫、アリー、後親友とか言ってたピピンって子の3人d
「分かった!分かったからいい!てゆーかそんな生々しい話読みたくない!」
「え~和夫読みたいなぁ!アリーちゃんとラブラブ?ねぇラブラブ?」
「駄目。これ警部にあげるために作ったんだから」
ケチ、と、ふて腐れる和夫を一同は無視して、堕次仔の作った本を見ていく。
「『和夫はアリーに』・・・俺、無理だわこれ」
「ツナさん、そりゃないよ。ここ、まっだまだぬるいのにぃ」
「てかウチも全然いけるけどn
「戻ってきてMs.捜査一課―――!!」
そんなツナの悲痛の叫びを横目に、女二人は本にのめり込んでいく。
・・・後ろで和夫が覗こうとしているが、
背が足りないのか、あまり見えていないようだ。
「あ、はい警部」
そして、最終的にさぁゃの元に帰ってきた本は、
一度も開かれることなく紙袋にしまわれた。
その後、元やん達と別れたさぁゃは、一人オフィスに帰って、思うのだった。
「ウチ、なんかしたっけ・・・?」
+++
「・・・で、これは何?」
警視庁捜査一課。
そこのオフィスの真ん中に、ベテラン警部と新米刑事が二人で立っていた。
「警部、褒めてください!警部のことを思って書いたんですよ!」
「いやだからこれは何かって聞いてるのよウチは。」
「何って・・・お祝いの小説ですってば」
その二人の間に、一冊の薄っぺらい本が広げられていた。
どうやら、この警部のことを書いた小説のようだ。
「てゆーかウチ変人じゃないから。トンカツなんて着ないわよ。
大体何このありえないメンバー。」
特に容疑者とか。
警部がそう付け加えると、刑事は「だって知ってる人集めただけですもん」と呟いた。
「あ、そうそう、ガメ伯父さんからも。これ、”亀の詰め合わせ”ですって」
「うわあこの本に並んで使えなさそうな・・・」
「本と亀を並べないで下さいよ警部!・・・あ、それと、」
大きな箱を警部に押し付けながら、刑事が言った。
「5000HITおめでとうございます、警部」
高速で書き上げたため、意味分からんとこも多いと思いますが。
”○さぁゃと⌒放課後no教室○”様、5000HITおめでとうございます!
お祝い小説って初めて書くから・・・
こんなんでいいのかな・・・(・∀・;)
後、出演者の方々(特にそこまで面識もないのに出てきた高見さんと堕次仔さん)、
本当にすいませんでした。
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てかうちに謝r(黙
同人誌ってのはそういうんじゃないんだけどな・・・。
や、多分本来の意味ではあってるんだろうけども・・・。
でもとても笑えたよ。
でわでわ。。