サイド/セミ
「あ、おはよ、ツンデレラ」
「あら、今日は遅かったわね」
「ツンデレラぁ、早く朝ごはん!!ぷー」
どうやら、今日もUNOをしていたらしい。
あたしは、普段となんら変わりのない三姉妹の挨拶を聞いて、
昨日のことは本当に夢だったんじゃないかと思えてきた。
割烹着にペットボトル、魔法使い、糞鼠共の保護、お城のパーティ・・・
・・・考えれば考えるほど、非日常過ぎるのだ。
「んー、分かった分かった、今作るから待ってて」
そう、普段となんら変わらない返事を返して、
普段の生活に、戻るつもりだった。
はずなのに。
「・・・ねえツンデレラ。
昨日、私達が呼び止めても返事すらしなかったじゃない。
あんなに急いで帰って、どうしたのよ?」
足が動かなくなった。
辛うじてお義母さんの目を見たけど、
どうやら嘘じゃなさそうで。
夢じゃ、なかったんだ。
第27話
「カオスちゃん、掃除しにきたよ」
~出番がないから題名出演 幻の13キャラ編~
「カオスちゃん、掃除しにきたよ」
~出番がないから題名出演 幻の13キャラ編~
「あ、いや、だって・・・」
「だって、じゃないでしょ?
突然来たかと思えば、すぐいなくなるし。
あのね?私だって、一応心配くらいするのよ?」
・・・お義母さん・・・。
「今日の朝ごはんとか」
そうだよそういう人だったよお義母さんは!
一瞬でもジーンときた自分が馬鹿だったよ!!
「・・・ま、そういうことだから。
とりあえず、あんま心配かけさせないでね。
じゃ。朝ごはんよろしく」
お義母さんは、そう言ってあたしの頭をポンと叩いた後、
再び自室へと戻っていった。
「・・・ま、そういうこった」
ツナが、お義母さんの言葉をリピートするかのように呟いた。
「そういうこと、・・・って?」
「そういうことっつったらそういうことだよ。
ったく・・・ママも素直じゃねえなあ」
「和夫がせっかく下まで追っかけたのにいないしさー!
ラティもミッチーもびっくりしてたんだからね!」
「誘拐されたのかと思ったじゃない。
・・・家族なんだからさ。心配だってするわよ」
ママすっごい焦ってたもんねー、なんて笑って言ってる横で、
不覚にも、顔がほころんでいる自分がいて。
父を失って、母を捨てて、・・・家族なんて言葉、そんなあたしには、到底無縁だった。
父さん、母さん、ごめんなさい。
あたし、今、ものすごく――― 幸せ です。
「あ!全然反省してないでしょ!」
「うっわーツンデレラ、悦に入ってるーぷぷぷ」
「ちょ、てかくさッ!ああやだやだ!柄にもない!」
こんな憎たらしい三姉妹に、何考えてるか分かんないお義母さん。
あたしが家出をしなければ、警察がまともだったら、一生出会えなかっただろう。
そう思えば、運命っていうのもなくはないのかな、なんて思って、
「うっさい!なんであたしが反省しなきゃいけないのよ!」
笑えるくらい泣けそうなこの気持ち隠そうと、いつも通り、怒鳴ってやった。
たまにはこういうツンデレラもいいよね。
ってことであったかホームコメディです。
ところでコメディって何ですか?
結局仲良しな元やん一家、が書きたかったんです。
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