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2024/05/08 21:09 |
続・ツンデレラ最終章



ピンポーン。



インターホンが、軽快な音を立てて来客を知らせている。


あたしは、たたみかけの洗濯物を床に置いてから、急いで扉へ向かった。



「はい、どちら様で…………え、」

「やあツンデレラ!久し振りだね!」



顔を上げると、そこには、三日か四日ぶりに見る、
アイツ―――誰もが知っているこの国の王子、ダリの顔があった。

驚きのあまり一瞬顔が綻びたが、素直に喜ぶなんて癪に障る。

あたしは、口をタコみたいに尖らせて、王子を睨んだ。



「久しぶりって何よ。
 別に、アンタと三日四日会わないくらい、なんてことないんだから!」

「でも私は辛かった!君に会いたかったんだよ!」

「ちょっ…………やめ、鼻血出てきてるじゃない!付くから!」

「うーん…………つれないなあ」



そして、それっきり、王子はあたしに抱き付くのをやめた。



最近、王子は控え目になったと思う。

初めて会った時―――一年と少し前は、会う度鼻血を噴き出したりして、まるで変態だった。

いや、まあ今も変態には変わりないんだけど。

でも、仕事が忙しくなったのか、いい加減大人になったのか、それとも、…………。

とにかく、先月から家に来る回数がめっきり減った。



「じゃ、私はそろそろ失礼するかな」

「え、…………何よ、家、あがっていくんじゃないの?」



私は、王子がてっきり家に来るものだと思っていたから、思わぬ返答に拍子抜けしてしまった。

王子はというと、一瞬、にやっと笑ってから、少し顔を引き締めた。



「そうしたい気持ちは山々なんだが、生憎、午後から仕事が入っていてね…………」

「…………へ、あ、ああ、そう?いや別に、来てほしいわけじゃないの、うん。
 ご飯、アンタの分、作んなくていいし?
 うん、別にいいわよ、楽だし。気にしてない」



相変わらず、嘘吐きな私の口。

…………本当は、いつひょっこり現れるかわからないアンタの分も、
お昼ご飯、…………多めに作ってたんだけどなぁ。



でも王子は、そんな事を知るはずもなく。



「それならよかった。
 多分、またしばらく顔も出せないだろうしね。
 …………お、もうこんな時間か。
 じゃ、そろそろお暇させていただくよ。
 働き過ぎで倒れないようにね、ツンデレラ」

「…………アンタもね」

「ん?何か言ったかい?」



こいつは、どうやら正真正銘の馬鹿らしい。

私は、王子の襟元を引っ張って、耳元で思い切り叫んでやった。



「何も言ってないっこの馬鹿!
 もう、早く仕事に行きなさいよ!
 だからいつもパンパさんに怒られるのよッ」

「お、おお?わかったよ、行ってくる」

「…………じゃ、ね」



バタン!

そのまま私は、王子の見送りもせずに、玄関の扉を閉めた。



……………………はぁ。



―――



続きません。

冒頭部分が書けただけでも幸せ!



いやあ、小説ブームいいねえ。

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2008/07/09 01:26 | Comments(6) | TrackBack() | ツンデレラ(番外編)
ダリとパンパの過去話03



そして、それから五日が経った。



「パーンパっ!英会話の授業、終わったぞ!

 早くやろう!」

「またですか?

 それに王子、後五分後には生物の授業が・・・」

「五分あったら一回できる!

 いいじゃないか、ちょっとくらい休憩したって」

「・・・・・・分かりました、一回だけですからね」



遅刻したら宿題増やしてもらいますよ。

私がそう言うと、分かってるって、と王子が急かす。



これが、いつも通りになりつつある日常。




2007/11/24 17:39 | Comments(3) | TrackBack() | ツンデレラ(番外編)
ダリとパンパの過去話02



「母様、私、―――ダリ王子には、仕えたくない」



口をポカンと開けた母様を見て、私はきっぱりと言い放った。

・・・変な顔。



だなんて思っている間に、母様の間抜け顔はみるみるうちに赤くなっていた。



「こ、こらっ!ああ何言って、すいませんすいません、

 ほら!あんたも頭下げなさい!」



必死で笑いを堪える私の頭を下げようと、母様はすごい力で頭を押さえてくる。

だが、こっちだって、そう簡単に頭は下げられない。



そうこうしているうちに、王子の隣に居た猫背のお爺さんが、大声で怒鳴った。



「・・・ええい!もういい!

 王子、こんな無礼者、今すぐ―――」

「よし、採用」



そして、そんな中、予想外の台詞を吐いたのは、かの王子だった。




2007/10/13 16:47 | Comments(2) | TrackBack() | ツンデレラ(番外編)
ダリとパンパの過去話01




「ダリ、10歳の誕生日おめでとう」


「わあ!母さん、父さん、ありがとう!」


「ブフッ!だ、ダリ、お前の笑顔は最高すぎるぞ」


「もう貴方ってば!また鼻血出して・・・」


「父さん・・・大丈夫?」


「あ、ああ、大丈夫だよ、それよりダリ、プレゼントがあるんだ。」


「やったぁ!今年は何なの?」





「今年の誕生日プレゼントは―――」




2007/09/06 21:27 | Comments(3) | TrackBack() | ツンデレラ(番外編)
王子の失恋話





こんなこと、初めてなんだって。





2007/08/26 00:53 | Comments(2) | TrackBack() | ツンデレラ(番外編)

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