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2024/03/29 03:45 |
ツンデレラ最終章 ―第30話―





サイド/ダリ



























ツンデレラの後姿が、どんどん小さくなっていく。







何で?




私がツンデレラの手を握って、そして―――










分からない





わからないよ










「おねーさーん!」


「どこ行ってしもうたんやろ・・・ああもう!」


「王子!何やってるんですか!ぼさっとしてないで!」






部下の声に、ようやく事態が飲み込めてきた。











・・・私は、














私は、大好きな人を―――傷つけたんだ。











第30話

「なー俺らまた忘れられてるくね?」

~いいじゃん、とりあえずバラード歌っとこうぜ~













「・・・ツンデレラ・・・」






髪の長い娘・・・確かカチューンとか言った子か、さっきから何度も彼女の名前を呼んでいる。






そんな様子を見ても、私は何をすればいいのか分からない。






いつ帰ってくるんだ?どこに行ったんだ?誰かと一緒なのか?











・・・そうだ、何で分からなかったんだ。



あのくらいの年頃の娘、―――愛する人くらい、いてもおかしくなかっただろう。











「・・・ッとに、何やってんだクソ王子!!」






突然そう怒鳴られたかと思うと、同時に、背中に痛みが走った。






・・・ああ、殴られたのか、私。










「・・・いくらなんでも、王子に手を上げるのは・・・よろしくないですね、ツナさん」


「うっせえ!おい王子!!さっさと追いかけろ!

 お前いつまでボサッとしてるつもりだよ!!」







・・・私だって、追いかけたいけど、でももう・・・







「・・・上の公園の展望台」





ぽそり、三人の中で一番小さい―――和夫という娘が、話し始めた。








「ツンデレラってね、悲しくなったり、辛くなったときは、そこに行ってるんだよ。



 ・・・家に来た頃も、ずっとあそこから街を見下ろしてた」




元のお家が恋しかったんだろうね、複雑そうな顔で和夫さんが言う。







「・・・行き先、分かったろ。だったら早く行け。」


「ツンデレラだって、・・・王子に迎えに来てほしいって、思ってるわよ」









私、に?





こんな私が―――迎えに行っても、いいのか?












「その代わり、」






奥の廊下から、誰かの声が聞こえた。








「もしうちの娘を泣かせたら、



 ―――牢屋にぶち込まれようと、あんたの顔面叩きに行ってやるから」


「「「ママぁ!」」」





三人の顔が明るくなった。





・・・元やんさん。








「さっさと行きなさい。・・・あの子だって、待ちくたびれてる」


「・・・すみません!!」







私はそう言ってから、展望台に向かって走り出した。















「ツンデレラ!!」






1本道をひたすら登り続けると、見覚えのある後姿を見つけた。




その少女は、私の呼びかけに気づくと、双眼鏡から目を離して、走り出そうとする。









・・・ここに来てまで、逃げられてたまるか!











そして、何を血迷ったか、私は、―――ツンデレラの腕を、掴みかかっていたのだ。











「きゃっ!ちょ、何すん・・・」


「すまない」






「君の気持ちも考えずに、私の気持ちばかり押し付けてしまってすまない。

 でも本当に、君のことが忘れられない。



 ・・・なんて、好きな人がいる君に言ったって、仕様がないけれどね」





そこまで言った後、私はツンデレラの腕を離した。



ツンデレラは、しばらく俯いていたけど、やがて顔を上げて、言った。






「本っ当!あんた馬鹿よね!

 気持ちは押し付けるわ急に腕つかむわ・・・



 ・・・なんて、そんなあんたのこと、別に嫌いじゃないけど」








嫌いじゃ、ない?





ってことは、









「ツンデレラ!それって―――」


「か、勘違いしないでよ!

 べっべべべ別に、嫌いじゃないからって好きってわ、わけじゃ、ないんだから!!」






なんだ、少しがっかり。




でも、嫌われていなくてよかった。









ツンデレラに嫌われたら、多分、私は生きていけないだろうから。











「・・・まあ、遊びに来るくらいなら、いいけど」


「え?」


「~~~ッだから!また会いに来なさいって言ってるの!」





そう言って、ツンデレラは、ぷいと後ろを向いてしまった。











・・・どうしてだろう。自然と頬が緩んでくる。











「ツンデレラ!」


「な、何よ」


「・・・帰るぞ!!」






え、なんて戸惑っているツンデレラの手を引いて、私は、来た道を引き返していった。

















次回、感動のフィナーレ!・・・だといいな(わ

もう連載開始から半年近いんですね。

書き始めはラスト決めてなくて、

まさかこんな話になってるだなんて思ってすらなかったし。

書いていくにつれ成長したお話です。あはははははh

まあ本編書けないのは寂しいけど、

本編終わっても番外編書く予定なので

応援宜しくです。



・・・今回の話、長いなあ(今更
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2007/08/23 13:54 | Comments(7) | TrackBack() | ツンデレラ

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コメント

だはー

なんか和夫が真面目だー

これを期待していた!(

でも一番小さいって…どういう事だい?(・∀・)
posted by 和夫at 2007/08/23 22:47 [ コメントを修正する ]
このまま終わっといた方が綺麗なんじゃない?

あと、エピロ-グつけてその後のお話でダリ王子がツンデレラに尻に敷かれてるとこでも書いとけば(黙

和夫っさんなんか格好良かったねえ。

おかあさんこんなキャラじゃなかったよねえ。


ツナ格好い!王子叩くとか、格好い!


でわでわ。。
posted by 元やんURLat 2007/08/23 23:09 [ コメントを修正する ]
あ、なんかダリっ子が真面目でちもい...

オカンかっけーやん☆『ウチの娘』とかいいねぇ。ウンウン

来週のツンデレラはー??

プロポーズ!!プロポーズ!!プロポーズ!!プロポーズ!!
プロポーズ!!城乗っ取り!!城乗っ取り!!しr(殴
posted by さぁゃURLat 2007/08/23 23:34 [ コメントを修正する ]
>>さんじょっさん
あの辺さり気なく君ストーカーなんだよね(わ
まあ一応真面目・・・かな。うん、だね!
一番小さい、って、言葉の通りだよ。分からないのかい?

>>おかーさん
うーん・・・
じゃあダリりんのピーーー話はまた番外編でやろうかな・・・

おっさん頑張ったねえ。
お義母さんの台詞、本当ならカチュが言うはずでしt
ツナとカチュが格好つかなかったと思ったんで、そう思ってもらえてよかったです えへへ

>>ぶか
うん。ダリ、もいね。
お義母さんのうちの子発言はさせてみたかったんです。
だってホームコメディだから☆
・・・・・。

城は
のっとりません。
posted by あげたまごURLat 2007/08/24 00:08 [ コメントを修正する ]

うわー。
だりって、へたれなのね。

エピローグで、ママが城をのっとればいいよ!
posted by パディURLat 2007/08/24 12:14 [ コメントを修正する ]
なーんか散々言われてますけど、ダリです。


誰がもいって?

誰がへたれだって?


鼻血、ダメ、ゼッタイ。(←
posted by ダリURLat 2007/08/24 18:32 [ コメントを修正する ]
>>ししょー!
だりって、へたれなんだよ。

ママはのっとりませんでした。残念!

>>おーじ
貴方がもいです。
貴方がへたれです。

鼻血ナシ、ダメ、ゼッタイ。(←
posted by あげたまごURLat 2007/08/25 01:21 [ コメントを修正する ]

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