サイド/セミ
「ではそこの方、前に出てきて頂けますか?」
ま、前ぇ!?
なんであたしがビンゴごときで前にでなきゃいけないの!?
「おいツンデレラ、呼ばれてっぞ」
「ずっるーい何でツンデレラだけー!」
「知らないけどさぁ、いいわよねーツンデレラ!」
「うっさいあたしだって出るの、め、面倒な
「ビンゴの賞品の授与。
・・・あんた達、もしかして聞いてなかったの?」
き、聞いてなかったんじゃなくて、周りが五月蝿いから聞けなかったの!
なんて弁解はもちろん言う暇もなく、あたしは三姉妹に押され、渋々舞台へと向かうのでした。
第25話
「夜の街に繰り出すのだよ!闇に溶け込めパディさーん!」
~出番がないから題名出演 パディ編~
「夜の街に繰り出すのだよ!闇に溶け込めパディさーん!」
~出番がないから題名出演 パディ編~
「遅いですよ。ウダウダしてないで早く来たらどうなんですか」
パンパさんが、マイクのスイッチを入れないで言う。
あたしは、パンパさんのその態度にカチンときたが、なんせこの人の噂は山頂にも届いている。
・・・怒らせたが最後、本の角で意識を失うまで殴られるのだとか。
しかも、パンパさんの本は、全て鋼鉄で出来ているらしい。
ありえない・・・
そう思う一方で、でもあながち嘘でもなさそうだから大人しくしておく。
「・・・まあいいでしょう。出てきただけでもよしとします。」
そこまで言うと、マイクのスイッチをカチッと入れた。
「では、証拠にビンゴカードを提示して頂けますか?」
あたしは、手に持っていたビンゴカードを渡した。
パンパさんは、入念にそれを調べてから、やがてカードをしまう。
・・・最中、マイクにも通らないような低い声で「王子、後で事務室ですよ」と呟いたのが聞こえた。
「賞品については今から改めて説明致します。
このパーティ、王子の婚約相手を探すためにやっているのはお分かりでしょう。
第一に、王子と結婚したいか。
まあここにいらっしゃるのなら、これはクリアと言ってもいいでしょう」
けっけけけけっこ、結婚!?
そんなのし、したいだなんて、おももっ思ってないわよ!
「で、第二ですが、運命・・・ですね。馬鹿らしい。
見事貴方は、王子と巡り会う運命にあった、と思ったのですが・・・」
そこでダリ王子の方を見、笑顔を向ける。
ダリ王子はというと、先ほどまでの笑顔はすっかり消え、
パンパさんからの視線から逃げるように顔を背けている。
「・・・これも何かの縁でしょう。
多少気に食わない点もありますが、この後のダンスパーティ、
王子と踊る権利を与えます」
い、いらねえ―――!!!
と思いつつも、何故だかあたしの頬は赤くなる一方で、
舞台から目を逸らしたくてダリ王子の方を見たら、
「・・・やっぱ踊りたくない・・・」
青い顔はどこへやら、鮮血を鼻から溢れさせつつ、これ以上ないくらいの極上の笑みでそこに立っていた。
「いやっ、ダリ様ぁ―――!!」
「美しい御顔に血が!あぁああぁああどうしましょう!!」
「っていうかボケッとしてないでどうにかしなさいよ誰か!」
観客席から様々な怒号が聞こえてくる。
鼻血出したくらいで五月蝿い輩だわ!全く!
「皆様、静粛に。・・・さぁゃ、ティッシュを5枚持ってきて下さい」
そしてすぐに、さぁゃと呼ばれた人が舞台へ上がってきた。
・・・この人が、ツナが言ってたさぁゃさん?
そう思っている間に、ダリ王子の鼻にはしっかりとティッシュは詰まっていて、
なんていうか・・・幻滅って、こういうときに使うのかな。
白馬に乗ったりなんかしたら、確実に馬を紅く染め上げそう。
・・・と、要らないことを考えているうちに、パンパさんが〆の言葉を言っていた。
「では、今夜12時より開催しますダンスパーティ、
まもなくスタート致します」
はい。そろそろ終盤に向かいます。
いやー長かったな!早く執筆終えたいね!
でもどうしよう!ラストは思いついたけどそこまでが思い浮かばないや!(
ここから事態は急展開です。
事態っつっても何もないですけどね。
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